「PISA調査の特徴と課題-日中合同検討会」
(第1回グローバルCOE共催国際シンポジウム)
世界各国の教育政策に影響を与えている国際学力調査PISA。しかし順位や平均点に関する報道が先行し、その実態はなかなかみえてこない。本シンポジウムでは、PISAに関わった研究者を招いて、PISA調査のもつ特徴や課題を明らかにする。またPISAに参加していない中国で計画されている大規模な学力調査の企画者による概要説明を加えて、学力調査のあり方について検討する。
- 日時:2007年12月4日(火)午前10時00分~12時00分
- 場所:芝蘭会館別館・研修室1(京都市左京区吉田牛の宮町11-1)
- 主催:教育実践コラボレーション・センター
- 司会:大塚雄作教授(京都大学大学院教育学研究科)
- 開会の挨拶:田中耕治教授(京都大学大学院教育学研究科)
- 報告者:
- お問合せ:田中耕治 l50095@sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp (@が全角なのでコピー&ペーストするときには注意してください)
共催:京都大学グローバルCOEプログラム「心が活きる教育のための国際的拠点」
楠見孝教授(京都大学大学院教育学研究科)「PISAの経験と日本」
内村浩准教授(京都工芸繊維大学)「国際学力調査から見えること―科学的リテラシーを中心に」
胡軍氏(中国・中央教育科学研究所・研究員)「2006-2009国家重要課題―小中学生における学力調査研究の概要」
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「PISA調査の特徴と課題-日中合同検討会」(第1回グローバルCOE共催国際シンポジウム)開催報告
PISA2006の結果が世界で同時に発表されるというタイムリーな日に実施された本シンポジウムには、学内を中心に約30名の参加があり、学力調査の意味や実施方法についての活発な意見交換がなされた。
京都大学大学院教育学研究科の楠見孝教授からは「PISAの経験と日本」と題して、PISA調査の概要や実施方法に関する説明をしていただいた。世界各国と比較した日本の調査結果の特徴について、詳細な解説をしていただくとともに、PISAのリテラシー概念を超える創造的リテラシー概念の必要性について提案してくださった。
京都工芸繊維大学の内村浩准教授からは「国際学力調査から見えること―科学的リテラシーを中心に」と題して、理科教育の専門家の立場から科学的リテラシー問題の意味について説明していただいた。PISAで実際に使用された問題について、長年の高校教員としてのご経験をもとに、日本の子どもが得意とする問題、不得意とする問題の例を示し、その要因を明確に解説してくださった。
中国・中央教育科学研究所の胡軍副研究員からは「2006-2009国家重要課題―小中学生における学 力調査研究の概要」と題して、現在中国で計画されている大規模な学力調査について、その企画者としての説明をしていただいた。中国独自の条件をふまえた、大都市から農村までをカバーするための実施方法や分析方法に関する、具体的な方策を説明してくださった。
3名のパネリストによる報告の後、日中双方から、PISA調査とTIMSS調査の違いや、学力調査の実施方法に関する質疑応答がおこなわれ、充実したシンポジウムとなった。
〔参加者の声〕
普段、テレビ等の報道では聞くことのできないお話を興味深く聞かせていただきました。また日本語と中国語を使用してのシンポジウムに参加したのは初めてでしたが、滞りなく運営されていることに感心しました(京都大学 S様)。
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シンポジウム